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1つの課題についてシステム化し、問題を解決すると、他の課題の環境が変わり解決の難易度が変化する。
適切な順序を選ぶなら、問題解決のピッチが数倍上がる可能性がある。 このような問題解決の一環としてのシステム化活動を計画すること、および、各々の課題について業務担当者による問題解決作業を支援することは情報システム部門の重要な役割である。
これをアウトソーシングすると、企業の問題解決能力の低下を招くので、妥当でないことを容易に理解していただけると思う。 企業環境は急速に変化している。
一つの問題解決の途中で、関連する新しい問題が起きることも珍しくない。 計画どおりシステム化作業を進めるだけでは、手痛い失敗に陥る恐れがある。
したがって、大規模なシステム化課題を設定すると、計画の硬直化を招き、変化への対応が遅れがちになる。 環境変化に応じて柔軟にシステム化計画を変更することが望ましい。
情報システム部門員に望まれる資質以上のような役割は従来の情報システム部門の機能に比べると抽象度が高く、高度であると感じる人が多いであろう。 そのことから、従来の情報システム部門が重視してきた技術は価値がなくなったと誤解されては困る。
プログラミングやオペレーティング・システムに関する技術は基礎として必須である。 ただし、最新の知識である必要はない。

基本的な考え方が分かっていれば十分である。 むしろ、現在の情報システムに関する問題は、商品知識はあるが、基本を分かっていない人達によって引き起こされている。
情報システム部門員は情報技術を身に付けていなければならない。 情報とは何か、その設計方法、情報の採取から蓄積・抽出・配布・加工・編集などに至る情報処理の仕組み、およびその設計と実現の方法などが情報技術に含まれる情報の設計方法が特に重要である。
役に立たない、あるいは歪んだ情報を設計すると、情報処理がいかに巧妙にできていても、情報システムの有効性は失われる。 『システム思考も重要な技術である』M・Wの「I」に代表される多様な角度から物事の本質を見極める思考方法が問題解決に役立つ。
最近ではIPOF(インプット・プロセス・アウトプット・ファンクション)によって規定できる問題を取り扱う機能的なアプローチの他に、多数の関係者が存在し機能を規定できない課題に対するソフト・システム・アプローチが重要視されている。 この立場から見ると、パッケージにより解決可能な事柄は問題の一面に過ぎないこと、およびその一面の解決が他の局面に影響を及ぼすことが分かるであろう。
パッケージの利用は多様な角度から検討すべきである。 システム思考は情報システムの企画から設計、実現、運用、保守のあらゆる段階で必要である。
問題解決および経営管理に関する技術も情報システム部門員にとって必須である。 経営戦略論を身に付けていれば、自分の関与するシステム化課題の経営的な意味を見いだすことができるであろう。

また、優れた解決策を見つけだすこともできる。 情報システム部門の中堅にとって、問題解決のためのプロジェクト管理技術を要求されるケースが増えている。
課題が明確に定義できる「システム開発」と違って、問題そのものが定義困難で、解決の途中で揺れ動くとき、プロジェクト管理技術の真価が問われる。 決められたとおりに作業を進めていけば高く評価される時代は終わった。
プロジェクトの環境は変化しており、また課題の意義も変わっていく。 情報技術も発達しており、採用を決定した商品がシステム開発の途中で時代遅れになる可能性がある。
Oは情報技術活用の独創的なアプローチを提案している。 情報技術は発達し続けており、新商品出現のために開発中のシステムが陳腐化するケースが少なくない。
また、新技術に関しては効果と副作用が推測に過ぎないことが多く、思いがけない結果を招く恐れがある。 現時点で利用可能な最高の技術を組み合わせてシステム構想をつくっても、半年も経たないうちに変更を迫られ、2、3年後には構想の意味が薄れてしまう。
Oは技術の利用の仕方を航海にたとえる。 ヨーロッパの航海士は計画を立て、そのとおりに巡航しようとする。
嵐などで予定が狂うと、懸命に計画に合わせようと頑張る。 これに対してトラック島の船乗りは目的地を定めて出帆する。
後は風向きや潮流などから情報を得て、星を観察しながら状況に応じて操縦する。 その努力は目的地に着くために必要なことに絞られる。
情報技術に関しては変化の予測は困難であるし、導入効果も推測の域を出ないことが多い。 したがって、ビジネス改革の目標を定め、情報技術による小さな解決策が決まったならまず実行し、結果を調べて評価し、状況に応じて次の解決策を考案することが賢明である、とOは情報技術導入の事例研究に基づいて主張する。

このアプローチでは情報技術が予想外の好結果をもたらしたとき、さらに大きな成果を得ることができる。 また、失敗したときの被害は最小限に食い止められる数年間掛かる大規模システム開発のとき覚悟したような大きな経営リスクはない。
鍵となる経営者と利用者の発想転換ソフトウェアの肥大と品質低下、すなわち「ソフトウェア危機」に陥った情報システム部門に対して多くの利用者たちは冷ややかである。 経営者も問題の構造を理解できないまま結論を急ぎ、しばしば事態を悪化させる先ほど紹介したパッケージ導入の間違いの多くは、経営者の思い込みに起因している。
安易にパッケージ導入を決定した経営者、中堅管理者は反省していただきたい。 手作りであれパッケージであれ、構造の悪いソフトウェアは導入過程および導入後の変更・改良・拡張の段階で問題を起こし続ける。
そのようなソフトウェア構造を容認した後で、問題を表面的に解消しようと努力するのは無駄なことである。 構造の悪いソフトウェアを改良するよりも、新たにつくり直すほうが容易である。
パッケージに関してもこのことは当てはまる。 現在、大多数のパッケージ・ベンダーがオブジェクト指向のソフトウェア部品と、部品組立および部品生産用のソフトウェア・ツールから成る「良い構造のパッケージ」を開発しようとしている。
すでにある程度成功している。 ものもあるが、市場の需要を満たすほど豊富に出回るのは2年ほど後になるであろう。
新しいパッケージを、従来と同じ発想で利用されては困る。 利用者達が無理解であれば、部品や道具は良い構造でも、出来上がる情報システム全体の構造は悪くなってしまう恐れがある。

経営者と利用者達が主体性を持ち、責任を持ってビジネス・モデルを描き、プロトタイプの検証に参画する必要がある。 また、その過程で情報システムの構造を理解し、導入後ビジネスの変化に即応して的確に変更要求を出すことも重要である。
パッケージ導入の過程で経営者も利用者達も自己の職務にふさわしい水準の情報技術、システム思考能力を身に付け、情報システムが常にビジネスの要請を満たすよう保つ作業に参画していただきたい。 そのとき、この節で述べた新しい情報システム部門が真価を発揮するであろう。
情報化投資の考え方の改革アプリケーション・システムごとに情報処理機器を購入し、ソフトウェアを購入あるいは開発する従来型の投資は妥当でなくなった。

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